憲法には多くの場合、表現の自由や選挙権などの国民の権利についての規定(人権規定)と、立法府や行政府などの国家統治の基本的な組織についての規定(統治規定)が盛りこまれる。この人権規定の背後には自由主義があり、統治規定の背後には民主主義がある。これが近代的意味の憲法の特質である。日本国憲法も、人権規定と統治規定を含む。
立憲君主制や間接民主制、権力分立制、地方自治制度、国防軍の文民統制なども多くの国で採用され、憲法典に定められている。日本国憲法でもこれらの多くが採用され、さらに、象徴天皇制というかたちの立憲君主制や、戦力放棄規定、刑事手続(犯罪捜査・裁判の手続き)についての詳細な規定など、日本国憲法に特徴的なものもある。
これら個々の規定・条項にも増して重視されるのは、憲法が国家の基本的な秩序を定めた最高規範であるということから、その背後にある、国のあり方についての理念である。これを「主義」「原理」「原則」などと表現することもある。日本国憲法では、この理念の中心に「個人として尊重」(13条)、「個人の尊厳」(24条)という個人の尊厳の原理(個人主義ともいう)を置く見解が一般的である(異説もある)。個人の尊厳の原理は、人間の人格不可侵の原則とも言う。個人の価値を裁定するのは人間や社会ではなく、一人一人の個人は人間として最大限の尊重を受けるという考え方である。ここに、利己主義や、放縦な他害行為を容認するという考え方とは厳しく区別されねばならない。